最後の20万円
前回の続きです。
利用している融資枠いっぱいまで借り入れている。支払い日は迫ってきている。
その額120万円。
売れた商品の見込みの売上げでは足りそうもない。
クレジットカード決済の売上げが現金化できるのは月末。間に合わない。
この、月末の売上げが現金化できることを担保に、融資を申し込む方法を知るのは後の話で、この時は即日無担保ローンでなんとかするしかありません。
そこでまだ契約していない三菱東京UFJ銀行のカードローンの申し込みを行います。
俳優の阿部寛がCMキャラクターを務めていて、テレビCMや電車の中吊り広告などでも盛んに宣伝されている三菱東京UFJ銀行のカードローン。
最短30分で借り入れ可能!と、主婦をもターゲットにした無担保ローンです。
結果は審査落ち。
審査に通りません。
あせった私は、サラ金系の消費者金融を訪ね渡ります。
しかし、審査に通ったのはアコムの10万円のみ。
アコムは、会社員時代に利用していたことがあって、ずい分前に完済し、そのまま利用していませんでしたので、再審査となりました。
きちんと完済した履歴が評価されたのか、審査には通りましたが融資枠がたったの10万円。
焼け石に水です。
しかし他の消費者金融は全て審査に落とされています。
起業1年に満たない個人事業主が、いかに信用がないか思い知らされました。
銀行カードローンなんて、専業主婦でも審査に通るのに・・・・
どこもお金を貸してくれなくて、涙が出そうになりましたが、
泣いたところで、誰も助けてくれません。
女の子みたいにワンワン泣いて、誰かが助けてくれるのならいくらでも泣きますが、実際にはおじさんが泣いてもみっともないだけです(笑)
お金がどうしても必要。お金はない。
どこも貸してくれない。
泣きたい気分にはなりますが、なんとかしなければビジネスが終わってしまいます。
支払いに必要なお金はおよそ120万円。
すでに所有しているクレジットカードのキャッシング枠は使い果たしています。
VISAクレジットカードで30万円。
VIEWカードのキャッシング枠で10万円。
アコムの10万円。
あと70万円。
なんとかしたい。
せっかく大金をはたいて、大きな借金をして始めたビジネス。
なんとかこの支払いさえ乗り切れれば、継続できるという正念場です。
泣いている場合じゃあない。
ここで、アコムの審査に通ったことがヒントになります。
アコムの他にも、会社員時代の若いころに、他社からもキャッシングをしていたな。
よーく思い出すと、マルイがやっているキャッシングでエポスという無担保ローンを利用していたことを思い出します。
泣きべそをかきながら消費者金融をあちこち駆けまわり、無人契約機で40分ほどかけて審査して、審査に通らないことを繰り返し、
駅でどうしようもなくたたずんでいるところ。
万策尽きた思いです。
ベンチにもすわらず、立ってぼーっと考えていました。
そこで、エポスの存在を思い出した時は、希望にすがる思いです。
急いで家に帰り、引き出しをあさってエポスのカードを見つけました。
なぜか2枚ある(笑)
2枚とも持ってマルイへ急行。
エポスカウンターで、まずこのエポスカードが使えるのか確認です。
OLさんやら買い物客のおばさんが勧められて入会するのでしょう。
エポスは確か入会するとマルイでのお買い物が割引きになります。
エポスカウンターはそんなお買い物の割引き特典目的の方で順番待ち。
こっちは切羽詰っているので、待ち遠しいのなんの。
ようやく順番がきて、一枚はすでに失効していることを確認。
もう一枚は??
なんと30万円のキャッシング枠がありました!
増額は断られましたが、そのまま30万円キャッシング。
あと40万円。
この時点で支払日が翌日に迫っています。
あと40万円用意できなければ廃業です。
ケツに火がついているどころじゃない、大火事です。
どうやっても、もうどうにもならないので、
やりたくはありませんでしたが、親兄弟に泣きつきます。
連絡すると、助けたいのはやまやまだけど、急に言われてもお金ないよ。でもなんとか10万円作ってあげるよ、と兄弟。
昔から厄介者で、迷惑ばかりかけてきた私ですが、助けてくれました。
あと30万円。
私の親は年金生活者で、年金と少しばかりの預金で、余生の心配をしながら生活しています。
起業すると伝えたときもすでに決断した後だったので、相談というより報告するといった具合でした。
やりたいことがあるからやってみたい。
すでに気持ちは固まっている。
と伝えた時、とても心配していましたが、
「決まったのなら仕方がない。お前は親が心配したって言うことなんか聞かないんだから、せめて応援してあげるよ。」
と起業資金をいくばくか援助してくれました。
「自分たちがしてやれるのはこれだけだよ。がんばりなよ。」
そう言ってくれました。
きっとその内に返すから!と受け取ってから、まだ半年あまりです。
しかし今回は返すあてはあります。
月末に売上げが現金化されます。
情けないにも程がありますが、お金の無心をしたところ、「月末に返してくれるなら」と
10万円貸してくれました。
創業時は気持ちも高ぶっていて、「そのうちに、倍にしてかえしてあげよう。」という意気込みですが、
この時は泣きべそをかいています。
返ってこないかもしれないな。という気持ちもあったでしょうが、一度電話を切り、
10万円くらいなら、なんとかできそうだと返事をしてくれました。
涙がでるほどうれしかった。
さて、あと20万円。
ここまでくると、もう通常の方法ではお金を借りれないとわかっています。
そこで目をつけたのが、クレジットカードショッピング枠の換金です。
俗にいうクレジットカード現金化。
かなり抵抗がありますが、切羽詰っているため、悠長なことは言っていられません。
明日の15時までに20万円をつくらなければ、ジ・エンド。
夢を持って始めたビジネスが、終了してしまいます。
朝まで検索して、ここで借りてみようというところを絞り込みます。
もう寝ている場合じゃない。
クレジットカードのショッピング枠を換金するという方法は割りと昔からある方法ではあるようですが、
いかんせん、あやしい業者が多い。
宣伝されている換金率より、実際に利用してみると振り込まれたお金がだいぶ少ないということが当たり前の世界のようです。
クレジットカードを現金化する業者は山のようにあり、検索しても業者の宣伝っぽいサイトばかり。
何時間も深くまで検索して、やっと利用者の本当の情報が見つかる程度で、さがすのに苦労しました。
これなら利用してみようと思えるところが、やっとしぼりこめて、早速利用することに。
なんと言っても時間がありません。
即日で無審査。
希望の額の20万円が振り込まれなければ泣きべそをかきながら作ったお金。この苦労が水の泡です。
結果としてこれが大当たりで、結局他の業者もこの後試して見ましたが、
最初のこの方法を今でも利用しています。
返金保証をつけているネット通販のお店で商品を注文し、
すぐさまキャンセルして、返金を銀行振込みで対応してくれるお店を利用する方法です。
注文に対して、返金保証をつけているお店は多いですが、クレジットカードの支払いをして、現金で返金してくれる店はかなり貴重。
探しても見つかるもんじゃありません。
どうしてもなんとかしなければいけないという、寝ずに検索して探したのが功を奏し、すがる思いで利用したところ、結果は大満足でした。
早朝に注文し、キャンセルのメールをします。
キャンセルのメールに振込みでの返金を希望を明記し、銀行口座情報を記入します。
すると午前中にきっかり振込みで返金してもらえました。
ほんとうに乗り切った、やり尽くした気分でした。
残りの20万円を手に入れて、支払い先に振り込みます。
そのまま夜までお店の仕事をして、晩の食事も取らずに布団に潜り込みました。
疲れ切っていますが、すぐに寝つけません。
頭が冴えています。
正念場を乗り切った満足感もあり、人間あきらめずにやれば、なんとかなるもんだな、などと思っていました。
いやいやいや、この試練に打ち勝ったのは、なにも自分の力で乗り切ったんじゃないぞ。
ふとんから這い出して、親と兄弟に電話し、
「おかげでなんとかピンチを乗り切って、商売を続けられそうだよ。」
「借してくれたお金は、月末に返せるから心配しないで。」
「ほんとうに助かったよ。」
と伝えたところ、眠りにつくことができました。
この現金返金の方法は、現在でも利用していて、現金で返金してくれているお店とも良好な関係を築けています。
このお店がなければ、今の私はありませんが、
当ブログを読んでくださっている方で、まさに同じような苦境に立たされている方もいらっしゃるかもしれません。
無審査で気持よく現金を作ることができる、私が利用している方法の詳細は次の機会に詳しく書く予定です。
こうして無事にピンチを乗り切りましたが、この後、別のクレジットカードのショッピング枠を換金する業者に騙されたりと、試練は何度か続きます(笑)
そのお話もまた今度詳しく書きます。
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